| photo: sk | ちょうど一年前、39歳を迎えた僕をずっしり重い気持ちにさせたのは、決して30代最後とかのセンチメンタルな問題じゃなかった。 かねてより心の拠り所である導師、ボリス・ヴィアンの享年は39歳であって、自分がその歳を迎える自信がないことへの不安だった。 僕のことを若い頃からフォローしていると嘯く(かつての)若者に去年の誕生日の後に指摘された。 「梶野さんは、むかしからよく『39歳で死ぬ』と言ってましたよ」と。 はは…、そのくらいの覚悟で生き急いでたのだろうか…、こう書いてるだけでも恥ずかしくなるよ。 たくさんの肩書きや形容詞やらがないと説明できないような僕のパーソナリティとアイデンティティは、今に始まったことではないし、果たしてその影響だったのかどうかも定かではないけど、その文章においても、その存在感においてもヴィアンの存在の大きさは計り知れないのである。 「うたかたの日々」はそのまま僕の人生の消えてしまいそうな日々のようであり、最も好きな小説である「北京の秋」を読み返しては、いかに「まっすぐでない」ことこそ大切かを思い返す。 そして僕がサンジェルマン・デプレを徘徊するのは、フェニックスより以前に、ゲンスブールより以前にヴィアンのせいだ(結局その地下に見つけたのはタブーじゃなくてモンタナ)。 まもなく40代を迎え、歳を重ねるのはむしろ楽しみなのだけれど、どうしても悔やまれるのは、今の中途半端なままの自分で、そのヴィアンの享年を越えてしまうことだ。 いまクリアしてるとしたら「je m'appelle shoichi, mais on dit coco」ってことくらいだ。 ああ、だってこの先、「その次となると62歳まで猶予があるな…」、なんてますます自分を甘やかしてしまうだけじゃないか。
by cherchemidi
| 2010-08-04 22:15
| monologue
|
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monologuephoto à la mode de la musique j'aime le cinema et cetera... Qui est vous, Shoichi Kajino?
140 caractères "maintenant"
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