| photo: sk | 桜の季節をいとおしく感じるようになったのは30歳を超えてからか。 それまでは入学式や入社式の季節に桜の前で記念撮影をした記憶さえない。 桜にカメラを向けるとき、なるべくなら、フレームの中に桜と空のほかには何も入れたくなくなった。 これでは、一体いつどこで撮った桜の写真かさえ分からないわけであるが、その光の感じやカメラの違いで、自分だけにはなんとなく推測可能だったりもする。 今年の春は「さて桜を撮りに出かけよう」なんて意気込みもなく、お花見も近くの公園のベンチでワインを空けるだけに終わったのだけれど、日々の移動の中で足を止めておさめた桜の写真が知らず知らずのうちにデスクトップにたまっていた。毎年この時期になると写真フォルダのサムネイルがほんのりピンク色になる。 写真のほとんどは、表参道、青山、神宮前、松濤にて。フィルムで撮ったのは英国大使館。それから六本木もあった。 この時期の日本は、いったいどうしたのかというくらいに美しい。 なにより柔らかな風に花びらが散らされている様を目の当たりにすると何かぞくぞくする妖艶な感情に襲われる。 そして僕の頭の中もチョコレートのようにほんのりと溶解をはじめるのを感じる。 外国人の友人からどの季節に日本を訪れたらいいか?と聞かれたら、間違いなくこの妖しくも美しい季節を推薦する。
by cherchemidi
| 2009-04-08 19:24
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monologuephoto à la mode de la musique j'aime le cinema et cetera... Qui est vous, Shoichi Kajino?
140 caractères "maintenant"
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