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Sexuality
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| Sebastien Tellier, Massy | photo: sk |

セバスチャン・テリエの震撼のニューアルバム「Sexuality」は間違いなく2008年の最も官能的な作品である。的確な形容詞が選び出せないほどに素晴らしい。
まだ聴いていないなら、すぐにiTunesでダウンロードしてください。
すべての趣味のよい友人たちは、数ヶ月も前からこのアルバムの話ばかりである。
そしていよいよ本日、パリ、ポンピドゥー・センターでのコンサートを皮切りに本格的なツアーがスタートする。
写真は2月13日、深夜のエールフランス便に乗る前に見たマッシーでのリハーサル。
観客は僕を含め関係者7名だけであった。
この赤い光の中に登場した瞬間、神がかった何かを見た。
昨年の7月のステージとは全く異なるコンサート。

日本でこのステージが見られることを切に願っている。
by cherchemidi | 2008-02-29 12:34 | de la musique
Le Caban de Phoenix
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| Le Caban de Thomas Mars | photo: sk |

1月のパリでどうしても忘れてはならない任務があった。
Bali Barretのピーコートをトマに届けなくては…。
僕はスーツケースの中に新品の「Made In Japan」のピーコートを入れてパリに向かった。
詳細は推して知るべし、今やBali Barretは日本でしか買えないブランドになってしまった。トマがステージで着たことでフランスの雑誌にまで取り立てられたそのピーコート(なんとA.P.C.のもとと書かれていたが…苦笑)は、僕からの熱いリクエストも届いて、Baliがメンズサイズにリサイズして再発してくれたものである。
以前にも書いた通りトマのものは煙草の火で穴さえ開くほどにクタクタになってしまっていて、どうにか新しいものが欲しい…という話であった。

1年がかりで製品となったそのピーコートをようやく本人に届けることができたのである。トマも喜んで記念撮影を。
ただ、この再発の到着が待てなかったトマは、なんと、自ら友人のデザイナーに頼んで、このBali Barretのピーコートをそのままコピーして、一点だけリメイクしていたのである。それも今度は黒で。

ハハ…、これはBaliには内緒にしておいて、とのことで、偶然にも翌日、モンタボー通りのBaliのアトリエを訪問する機会を得た僕は、もちろん上の写真だけを見せて、任務遂行を報告した。

ちなみに下が、裏地まで完全コピーしたトマ・オーダーメイド。
襟元にはイニシャルが刺繍してある。
この日、フェニックス・スタジオはまたも数年前のピーコート・フィーヴァーが再燃してしまい、クリューから、日本に戻ったら買ってきてくれと頼まれる始末である。

ようやく東京でも春の光を浴びた気がする2月末、レザーは脱いで、ネイヴィーのピーコートに袖が通したくなった…。

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by cherchemidi | 2008-02-28 15:06 | à la mode
Midnight Boom
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| The Kills | G2 with P35, photo: sk |

少し前にThe Kills の二人を撮影させてもらった。
こういった取材のポートレートはデジタルでの撮影がほとんどであるのだけど、
にわかに思いついてContaxのG2にフィルムを詰めて持ち出した。

さっそくカメラを向けた途端にJamieが強い反応を示す。
なんと彼のバッグの中にも同じく「Contax G2 Black」が入っているというのである。
さらには自分のG2はうまくフォーカスが合わないとのことで、試しに僕のを見せてくれという。
彼はそのままカメラをVVに向けて合焦するのを確認しつつ、自らシャッターを押した。
それが下の写真。同じカメラでも僕には撮れない写真だ。

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撮影の後、Jamieは自分のG2を取り出して見せてくれる。
使い込まれたそのボディはところどころブラックのペイントが剥がれていて、いかにもロックスターらしい味に。さっそく僕も覗かせてもらったが、そこに付いていた28mmのレンズは確かに合焦しなかった。

久しぶりに取材の撮影に持ち出したカメラがそのアーティストとおそろいだった…という奇遇に驚いたというお話。
あ、今回、僕は撮影だけで彼らにインタヴューはしなかった。
by cherchemidi | 2008-02-27 12:22 | de la musique
Ennui à Taipei
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| photo: sk |

撮影の仕事で台北へ誘って頂いた。1泊2日の短い出張だったので手帳を開いてすぐに引き受けた。
そもそもかねてより世界を巡りたいと思いながらも、僕のパスポートにはヨーロッパの押印しかない。
いや、最近ではフランスにしか行かないものだから、成田で押される「出国」と「入国」のスタンプが並ぶだけの味気ないパスポートである(そもそもフランスのイミグレーションでは入国時も出国時もスタンプを押さないのである)。
もちろん日本を除けばはじめてのアジアの国への訪問である。さらに沖縄より南に緯度を下げるのははじめての経験である。

多少なりの期待とともに空港に降り立った。
湿度の多い汗の臭いの混じった空気が鼻を突く。
空港からホテルに向かったものの、チェックインさえ出来ないままさっそく撮影の仕事が始まり、気がつけば夜。そのままディナーである。
その間、自分はどこにいたのか分からないままであった。

町でやけに顔や喉がホコリっぽく感じたのは、きっと偏見ではないはずである。
結局ホテルにチェックインできたのは確か深夜の1時前だった。
翌朝の飛行機に乗るため、ロビー・コールは6時50分。
それまでにその日に撮った写真を選んでメールしておかなくてはならない。
ホテルでのほんの6時間の滞在のうち、1時間は写真のセレクト・現像に費やし、ようやく浴槽でリラックスしたかと思えば、もう眠る時間もさほどない。
少しばかりの胃のもたれを感じながらも、なぜか台北のベッドで、僕はサガンを読みはじめてしまった。
2月だというのにエアコンのスイッチを入れると選択の余地なくクーラーが効いてくる。
やけに広いベッドでは眠れず、結局6時には目を覚まして、散歩に出かけたのだけど、ガイドブックも地図もないので、ここがどこなのか、どこに向かって歩くべきかも分からないままである。
町には、マクドナルドやセヴン・イレヴンやスターバックスや…ほぼ思いつくであろうすべてのチェーン店の看板を見ることが出来るのだから、エキゾチシズムも半減してしまうというものだ。
結局朝の散歩の中で台北を感じることができたものと言えば、ビルの谷間の公園で太極拳らしき朝の体操をする中年女性の集団と、急に吠える野良犬との遭遇くらいであった。

空港に戻ってくるまで24時間にも満たない台北での時間を過ごしたのだが、驚くことに1元もお金を使わなかった。もちろんいろいろと気を配っていただいていて、ありがたいことに細かい支払いを自分でする必要がなかったというのもあるのだけれど、自らすすんで買いたいものに出会う余裕もなかったのである。
入国の際、念のため、と両替していた現金はほんの2000円分ほど(笑)だったのだけど、結局それもそのまま残ってしまっていた。565元。再度円に両替というのも癪だったので、ちょうどぴったり565元で買える烏龍茶を空港で買った。結局ポケットには1元も残らないまま帰国した。

僕のパスポートにはようやく漢字のスタンプが追加された。
台北については何も分からないまま帰ってきてしまった。
あいまいにアンニュイな数時間。
ただその数時間で「水があわない」のだけは痛感してしまった。
東京に着いて、安心した…というのは嘘ではない。
東京にこの種の安堵感を覚えたのは、もう何年ぶりだろうか。

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by cherchemidi | 2008-02-26 19:56 | photo
Photo du Jour
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| photo: sk |
by cherchemidi | 2008-02-21 00:09 | photo
Saint Valentine
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| Uffie + André, Le Baron de Paris | photo: sk |
by cherchemidi | 2008-02-20 00:58 | photo
Photo du Jour
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| photo: sk |
by cherchemidi | 2008-02-19 12:16 | photo
Reverence
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| Paris VII, le 13 février 2008 | photo: sk |

(La Vie C'est La Vie からつづき 2月13日のこと)

東京への飛行機はエールフランスの深夜便である。マッシーという郊外、いかにもウェルベックがモチーフとして好みそうな死んだ町のはずれにあるRERの駅。セバスチャン・テリエのリハーサルを満喫したあと、一足先に会場を去った僕は、その駅からロワシーまでRERのB線に乗る。夜のRERのB線。普通に考えたら誰もこんな電車に乗りたいとは思わない。“ロジェ・タロンのデザインした”などというチャーミングな前置詞も今では誰も語ることさえなくなってしまったRERの車両は相変わらず小便臭く落書きだらけだ。バンリュー(郊外)からバンリュー(郊外)へ。陰気すぎてiPodも文庫本も出す気も失せてしまうほど。素晴らしいセバスチャンのライヴのことや、飛行機のチェックインが少しおくれてしまう心配などが頭をよぎりながら、そのうすら寒い車内で70分以上揺られるのである。
途中、僕は何気なく車内の床に散らかった無料のタブロイド版に目をやった。表紙はアンリで、その死のことが報じられているようだ。この車両で他人の目を気にする必要もないのだが、それでも小心者の自分はちらりと周囲に目を配ってからその読み捨てられた夕刊を拾い上げてアンリの訃報に目をとおす。RERの床に落ちた夕刊からそんな知らせを知るのは切なすぎる。
着いたのは22時前だったか、夜のロワシーは閑散としている。
やるせない気持ちで乗ったエールフランスの機内でもテレヴィのニュースでサルヴァドールの死を報じていた。僕はようやくiPodは取り出したものの、機内でアンリの歌声を聴く自信がなかった。涙を流さずにその歌を聴くことは出来ないのが分かっていたからだ。
僕が充分にお金に余裕があり、さらに東京に締め切りの迫った(過ぎた)仕事が待っているというような状況でなければ、僕は間違いなくチケットを変更して(あるいは買い直して)、もう数日フランスの滞在を延ばしたに違いない。
果たしてどのようにして連絡をとるかは別として、正装して葬儀に駆けつけることだって出来たはずだ。
2月13日、ヴァンドームの別宅で息を引き取ったアンリ・サルヴァドールは16日にマドレーヌ寺院で葬儀が執り行われ、ペール・ラシェーズの墓地に眠ったという。
次のパリでは白い花を持ってペール・ラシェーズを訪れようと思う。
by cherchemidi | 2008-02-17 15:37 | monologue
Photo du Jour
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| Paris VII | photo: sk |

久しぶりにCONTAX G2を持ってパリを歩いた。
最近はフィルムカメラといえば例の“女子カメラ”(笑)Naturaばかりに頼っていたのだけど、
G2のずっしりした重みと、あの鋭いシャッター音とともにパリを歩くのは格別である。
by cherchemidi | 2008-02-15 23:28 | photo
La Vie C'est La Vie
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| photo: sk |

アンリ・サルヴァドールが亡くなった。その悲しい知らせを知ったのは、2月13日、パリを発つ日の夕方のこと。テレヴィのない友人宅に寝泊まりしていて、その朝の訃報を知らぬままに午後まで過ごしていた。
ただその朝、早起きして、7区の教会を訪れたのは、今思えば偶然ではなかったのかもしれない。いくつかのランデヴーをこなして、夕方、郊外のセバスチャン・テリエのリハーサル会場を訪れる途中、車のラジオから流れるニュースでその訃報を聞いた。
ここのところ2月には似つかわしくない美しい太陽が輝く日が続いていたフランス。ちょうど夕日が沈む時間の美しい時間。その日、車中から見る夕暮れは、そのニュースを聞く前からことさら美しかった。落陽を人生の終焉にたとえるような在り来たりの表現を使うのは厭なのだが、まさに南仏の太陽を愛し、太陽のような笑顔を振りまいたアンリ・サルヴァドールのことを、その沈む夕陽を見ながら想わずにはいられなかった。
ラジオはその知らせの後、アンリのトラックを一曲流したのだけれど、その後には通常の流行歌が垂れ流された。アンリは昨年の夏に90歳を迎え、年末にはパリで“最後の”引退公演を終えたばかりである。
車に同乗していたのはレコード・メーカーズのステファンとマーク。このニュースに関しては、僕らの間ではいくつかのコメントをしたにとどまったのであるが、僕は郊外のその会場に着くまでの間、無口のままアンリのことばかり考えていた。

(つづく)
by cherchemidi | 2008-02-14 22:04 | monologue



par 梶野彰一
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