La Chapelle Matisse

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| La Chapelle du Rosaire par Henri Matisse, Vence | photo: sk |


2007年の夏の回想。

地中海か大西洋か、迷った挙げ句に結局南に向かった最大の理由は、この村をふたたび訪れたかったからだ。昔のパスポートを引っぱり出してみないと正確なことは分からないけれど、おそらく15年ほど前の夏、ニースからバスに乗って訪ねた村、ヴァンス
見るべきところは、「マティスのロザリオ教会」ただひとつと言ってしまってもよい。
アンリ・マティスが晩年、この村に移り完成させた教会である。

今回もニースからのバスで日帰りの旅を計画する。
1時間と少しで地中海を見下ろす山間の村、ヴァンスに着くのは覚えていたのだが、きれいにアスファルト舗装された小さなバスターミナルで運転手に「終点です」と言われ、「え、ここがヴァンスですか?」と確認してしまった。
大きなスーパーやマンションのような建物の前を抜け、不安に思いながらも2分も歩くと、記憶の片隅にこびりついた見覚えのある景色に再会する。村はすっかり町に変わってしまっていたのだ。もちろん昔ながらの可愛らしい小さな村の部分は残ってはいながらも、かつての「プティ・ヴィラージュ」な面影を思い描いていただけに、その変貌ぶりには少なからずショックを受けてしまった。

それでも中心から15分ほど歩いた山の中に立つそのチャペルは、記憶の片隅の印象とまったく変わらないままで地中海を見下ろしていた。

まっしろな階段を下りてまっしろな礼拝堂へ。
壁面全体には黄色と緑と青のステンドグラス、そして真っ白なタイルに描かれたマティス流の宗教画、天高く真っ白なその空間は、南の光によって最大限にその魅力を完成させている。
しばらくは動けなくなるくらいに感激してしまった。

残念ながらチャペルの中は撮影禁止。お土産としてそのチャペル内の様子を撮ったスライドのカラーポジが売られていて、それは15年前に買ったものと同じだった。
さらに今回撮った下の写真は15年前に撮った写真と同じ構図だった。

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地中海に面したコートダジュールにはアーティストが手がけた多くの礼拝堂が点在する。ニースとモナコの間にある港町、ヴィルフランシュ・シュル・メールのコクトーの礼拝堂も圧巻だったのを覚えているのだけれど、マティスのロザリオ教会の光の演出を目にしてしまうと、同じレベルでは到底比較できないほどである。

礼拝堂を後にするとき、人生が終わるまでに僕はあと何度ここを訪ねることが出来るのだろうという思いがよぎってしまい、僕は何度となく後ろを振り返りながらそのゆるやかな山道を下った。

(また思い出したら、つづく)


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by cherchemidi | 2008-08-01 14:14 | monologue
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par 梶野彰一
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