le nom en bleu
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| Cimetière du Père-Lachaise | photo: sk |

早朝に目を覚ましてペールラシェーズ墓地に向かった。
礼拝堂の次は墓地…である。
2月の心の中の約束を果たさないではいられなかった。
ペールラシェーズを訪れるのは実は2度目である。

1度目は確か1990年の夏休み、そこを友人の誘いで訪れ、オスカー・ワイルドの墓石の前と、ジム・モリソンの墓石の前で記念写真を撮った。
その当時はなぜ、フランス人ではない2人の著名人がここに眠るのか、深くも考えなかったし、今のようにインターネットで検索するような簡単な回答が得られる術もなかったのだ。さらにコレットという作家さえ知らなかったはずだ。

モンマルトル、モンパルナスよりもはるかに巨大なその墓地では、地図なしで目的の墓に辿り着けるようには思えなかった。かつてはセルジュの墓も家も、初めて訪れたときには、地図を開く必要さえなく、導かれるように、そこに辿り着いたものだ。

かといって、2月に埋葬されたばかりのアンリ・サルヴァドールの名前が、墓地のガイドマップに載っているとは考えられなかったので、僕は迷わずコンシェルジュを訪ねた。入り口に「ここにはトイレはありません」と書いてある建物。
端末をたたいて調べてくれる女性職員が、「アンリ・サルヴァドール氏がここに埋葬されているのは確かなの?」と聞いてくる。
「はい、僕の読んだ新聞記事が間違ってなければ…」と答えながらも一瞬不安がよぎる。
数分後「ヴォアラ」と通りの名前と番地を手渡され、地図でメインの入り口から最も遠い地区を指差される。

整備された墓地内は公園のよう…ではあるが、ところどころに無縁になったと思われる荒れた墓石群を見ると、やはり心地の良いものではない。パリの町中には普段見たことのないカラスという黒い鳥が、ここには不気味に存在している。
それでも夏の朝の光と、墓地の澄んだ空気は素晴らしく心地よく、僕の回りを取り囲む。その朝日に向かってシャッターを押すとびっくりするくらい真っ白な写真が撮れていた。

歩くこと20分ほど、墓地の左端の一帯はパリを見下ろすような丘になっていて、有名な政治家らしき豪華な墓が並んでいる。
その一角にひっそりアンリじいさんの眠る墓石を見つける。
朝の光の反射がまぶしい白い石に、彼の名前と「1918 - 2008」という年号が刻まれている。地中海のような紺碧の青い文字。
幸いにもあたりには誰もいなかったので、ひとり墓石の前にひざまずいて、しばらく過ごした。
その後、何人かの観光客がエディット・ピアフの墓を探して集まってくる。サルヴァドールのちょうど真後ろにあのエディット・ピアフは眠っているのであった。
どんな直接的なつながりがあったかは定かではないのだけど、50年代〜同じフランスの歌謡界で活躍していた2人が、隣同士で眠っているのをみると、奇妙な運命のようなものを感じてしまう。

にぎやかになったその周辺から僕はそっと去ることにする。
夏のまぶしい太陽の中で再会することが出来たアンリじいさん、僕の手にはひんやり冷たい感触だけが残った。

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by cherchemidi | 2008-07-25 16:39 | monologue
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par 梶野彰一
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