Un Soleil Frais
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| photo: sk |

花冷。
桜の季節の寒さには、何か裏切られたような気さえしてしまうのだが、反面、花散らしの雨で落ちたうすい色の花びらを見ると、「いとをかし」としか表現できないような趣き深きいとおしささえ覚えてしまう今日この頃である。


さて、昨年の“桜”の記憶といえば、京都の上賀茂から下鴨まで、桜のトンネルのしたを自転車で思いっきり走ったことを思い出す。粉雪のように降り乱れる花びらはなんとも妖艶であって何度も自転車を止めては息を吸い込んだものだ。この記憶はこの先ずっと消えないだろう。
典型的ではあるが、寒い夜の円山公園の夜桜も、コーネリアスの京大西部講堂の後という記憶と結びつけば、不思議と思い出深き春であった。

たしか、ミシェル・ゴンドリーに会ったのも、フランス映画祭のために来日していた昨年のこの季節だったはずだ。
取材と撮影のランデヴー、待てどもくらせどミシェルは外出先からホテルに戻ってこない。彼の戻りを待っている間に(ほぼ1時間…)六本木一丁目のホテルの高層階から見下ろした景色の中に桜があったはずだが、去年のアジェンダを見てみるとそれは3月の中旬のことである。桜はまだ咲く前で、これはさっそく記憶がすり替えられてしまっていることに気付く。僕の記憶なんて曖昧なものである。

そんなことを考えていたのは、この冬の最後の時期に“冷たい太陽”のうたをよく聴いていたからだろうか。それは「恋愛睡眠のすすめ(La Science de Reve)」のエンディングで流れてくるDick Annegarnによる「Coutances」という曲(試聴サウンドトラック盤)。映画を観た方ならその切なすぎる歌詞とともに強く印象づけられているはずだ。
日曜の午後の冷たい太陽…。実は僕のiPod(小)にはこういったなんとも切ない曲ばかりが延々つまっていて、BobmoやらBoysnoizeなんかに続いてこういった曲が飛び出してくるもんだから、外出で耳をふさいでいるときは大抵はメランコリックな気持ちになっているのである。

そういえば、今年のフランス映画祭では結局、短編作品集しか観れなかった。別にソフィ・マルソーが嫌いなわけではない。タイミングよく数ヶ月前に「ラ・ブーム」を観てしまった僕は、25年の時を経て再びその可愛らしさにときめいてしまったものである。リチャード・サンダーソンのあの曲(「Reality」)も素晴らしかった。

さあ、無理矢理結ぼうというわけではないが、結局のところ好きな映画で印象的に使われた音楽は胸に突き刺さるほどに響くわけで、この春の僕はと言えば、Peter Sarstedtの「Where Do You Go to (My Lovely)」ばかり聴いているのである。
by cherchemidi | 2008-03-31 15:58 | et cetera...
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par 梶野彰一
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