Le Mort du Président
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世の中にはまるで「映画のような現実」があったり、「よく出来たフィクション」があるものだけれど、先日観させて頂いた映画「大統領暗殺」は真実味を帯びた「出来すぎのフィクション」であった。

2007年10月19日にブッシュ大統領がシカゴで暗殺されるという設定で描かれた、ドキュメンタリー・タッチのフィクションであるが、全編に渡り、実際のブッシュの映像も交じって作られており、フィクションと分かっていても、ついついリアルタイムで進んでゆくニュース映像を見るかのように、のめり込んで観てしまっている自分に気づいてしまった(途中まで)。
この場で政治的な意見を書くのもどうかと思うが、僕は圧倒的な「ハンベーカ」、殊に反ブッシュなので、ちょっとした高揚感さえ覚えたというのも嘘ではない。

「モラルに反してる」「卑劣で言語道断」などと、いくつかのアメリカのプレスからは猛烈に批判されているのも、もちろん納得できる。確かに現大統領を殺してしまう…のだから。

タイトルだけでも衝撃の「大統領暗殺」だが、実は映画の焦点はそこと少しズレたところにあると思う。その暗殺事件をもとに容疑者への嫌疑が募る過程や、犯行の実体が徐々に解き明かされていくのであるが(といってもフィクション)、その過程がいかにも「アメリカ」的で面白いのだ(ある意味では笑える…)。この監督の焦点は単なる「反・ブッシュ」ではなく、この「アメリカ」的な思考、政治、思想への揶揄であり、非難であることは間違いない。

もちろんアメリカ映画ではない。監督・脚本・製作はガブリエル・レンジという英国人。

この映画を観て、なぜだかふと思い出してしまったのは「ゾディアック」。機上で先行上映をやっていて、往路、復路、なぜか2回も観てしまった。こちらはご存知60年代後半サンフランシスコで実際に起きた連続殺人事件を映画化したものであるが、実際の殺人事件をもとに作られた映画であるにもかかわらず、ちょっとしたサスペンスでスリラーなエンターテイメント作品(まあだから、2回も観れてしまったのだ)に仕上げている。これはデヴィッド・フィンチャー監督とハリウッドの業がなせる、まさに「映画のような事実」をもとにした映画なのだなぁ…と。

ともあれ、「大統領暗殺」はまったくの作り話なのに、エンターテインメントとしてはもちろん、単なる皮肉としても片付けられない妙なリアリティを帯びている。いかにも…ありそうな話…。「不快なほどの説得力」「痛烈にして鮮やか!」。そんな意見につい賛同してしまうのは、果たして僕のような皮肉なハンベーカだけだろうか?
本日公開です。

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by cherchemidi | 2007-10-06 14:47 | j'aime le cinema
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par 梶野彰一
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