PARIS JE T'AIME...
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| PARIS JE T'AIME |

現代版「パリところどころ」…と言ってもいいかもしれないパリを舞台にした18編のオムニバス映画。
先日ちょっと先行して試写で見させていただき、さらにはパンフレット用にということで、日本人として唯一参加されている諏訪敦彦監督を交えての鼎談に…。
鼎談では、まあたいして気の利いた発言も出来ないままでしたが、この映画、とても気に入りました。

18人の監督がそれぞれ5分間の中で描くパリところどころ。
18のストーリー、観るひとによって好みはいろいろだろうけれど、それぞれのパリが美しくだったり、悲しくだったり、おもしろくだったり、とにかくパリへの愛情いっぱいに描かれており、パリを愛する者なら必ず満足の映画。
僕はといえば、終盤、あまりに突如として不思議な感情に襲われてしまい、うかつにも試写室にて泣いてしまいました。

(以下少しネタばれかも…注意)

パリにひとりでいると、自分と向き合う時間が出来て、えも言われぬ郷愁(ホームシックとはまた別のもの)におそわれたりするものです。客観的に自分が「いる」ということを強く意識して…。それから自分が「パリを好き」という一方通行の気持ちが、あるとき、ふわっとパリも自分を愛してくれてる(クサい表現ですが、照)…様に感じるような小さな出来事が突然起きたりもします。ふわぁーっと目が開くという様な感じ。

この映画、一本一本も素晴らしいのだけれど、最後の短編「14区」でその気持ちと同調するようなエピソードが描かれているのです。
あくまでそれは、アメリカなまりのフランス語を話す観光旅行のオバちゃんを面白可笑しく描いたコミカルな装いをしながらも、突如として、自分と同調させてしまって、あの、えも言われる感情を呼び起こしてしまうのです。

毎日「メルド!」と叫びながらも、結局「パリ、ジュテーム!」。
パリに狂わされたみなさんになら、必ずやこの感覚を分かってもらえるはず…。

この最後のエピソード「14区」がとりわけ素晴らしい、というわけではなくて、後半、トム・ティクヴァ監督の「フォーブル・サン・ドニ」あたりから、自ら脚本も書いたジーナ・ローランズの「カルチェ・ラタン」と、各エピソードごとにミルクレープのように積み上げられたパリへの愛しさが、じわじわと飽和してくるのを感じてきます。

さらに、この最後のエピソードが終わると流れてくるエンディング・テーマが、Feistの「La Meme Histoire」。
またこの歌詞が素晴らしく映画と共鳴…。いろんなストーリーがあるけれど、結局それはこの街パリで起きていることで、すべての小さな出会いや出来事は同じ糸でつながっているひとつの同じ物語…というような…。。。

第一編「モンマルトル」で流れてくるのがGonzalesのピアノソロ曲「Gogol」だという隠れたつながりにも気付くなら、ここもニヤりのポイントかもしれません。

面白さという意味で言えばコーエン兄弟の「チュイルリー」、イザベル・コイシェ監督の「バスティーユ」あたりが個人的には印象に残ってます。ガス・ヴァン・サントの「マレ地区」には貫禄のマリアンヌ・フェイスフルが登場、主人公のボウ・ギャルソンは全身ディオール オムだったり。

ああ、この前までパリにいたのに、ちょっとこの映画を思い出しただけで、もうパリが恋しくなってしまうほど… !!
パリ好きには激しくおすすめ、まあ、そうでない方にとってもパリのいろいろな側面に触れられる素敵なオムニバス映画だと思います。
by cherchemidi | 2007-02-14 08:12 | j'aime le cinema
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par 梶野彰一
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