北マレ、ここ最近のパリでの仕事場・滞在先であるこの界隈を歩いていると、ポワトー通り(Rue du Poitou)、例のラクロワのトゥー・マッチおしゃれな4つ星ホテルの斜向い、かわらしい薬局が真っ黒に塗りつぶされているのに気づく。例の薬局の目印、緑の十字架の看板も真っ黒に。 ここ最近の北マレのフィーヴァーぶりといったらすさまじく、パリにしてはあり得ないほど異様なスピードで都市開発が進んでいるのである。事実、数ヶ月この町を離れていた間に、いくつかの古いお店は姿を消してしまっていた。このフィーヴァーに辟易してこの地区から引っ越してしまった友人もいる。 その角の薬局は古い作りのまま無意味に大きな薬局で、一度もお世話になる事はなかったけれど、やけに存在感があっただけに、突如姿を消してしまったのは少なからず残念であった。 しかし、その黒く塗られた十字架には見覚えのあるクローバー・マーク。 そう、奇しくもここが新たなルメールのブティックであった。 というわけで、オープンの前夜、スルリとオープニング・パーティに顔を出してみた(特に招待状は持っていいなかったけど、持ち前のセ・パ・グラーブ精神を胸に…)。 シャンパーニュが振る舞われるブティック内、一番奥、たくさんのスピーカーが積み上げられたステージで、ウサギちゃんのかぶり物を被ってティアドロップをつけたバンドが演奏する中、そのバンドの間をモデルが登場して突然ショーが始まる。(ん、そのミキサーに向かっていたのはKrikor !?) お茶目な演出にルメールらしさ、あるいは、エティエンヌ・シャリー、Oui Oui、すなわち、ミシェル・ゴンドリーにも通じる、そう、あの辺のフランス的エスプリを感じながら、ショーやライヴやお酒を楽しむ。 さほど知り合いもいないかと思っていたのだけれど、ほぼ2年ぶりにベルトラン・ブルガラとの邂逅。ベルトランとルメールが親交が深いのは、ずいぶん前から一緒にパーティを開くなど、ご存知の通り。それにしても人前になかなか姿を見せないはぐれメタル級のベルトランとこんなパーティで会えるとは…。 ともかく、ルメール復活! 彼のデザインしたラコステは結局一着も買わなかったと思うけれど、彼がラコステを始めるというので、ラコステの定番ポロシャツを買い直したのは記憶している。 かつてマレの中心、カルナヴァレ美術館のわきにあったブティックは、同じ通りにある例の写真集屋さんに行く際に必ず覗いていたものである。 A.P.C.とはまた違うパリジャン的エスプリに溢れた彼の洋服が見られるのは、素直にうれしい。プライスも良心的だし! その夜、パーティは適当なところで抜け出したのだが、翌日の昼、早く洋服が見てみたくて、さっそくオープンにあわせてブティックに行ってみた。仕事場からはほんの数メートルだ。 オープン最初のお客は、きっと僕だった…。 前夜のにぎわいとは打って変わって、お店には2人の店員以外は誰もいなかったが、さっそく春夏の商品が並んでいた。奥のステージにはラコステの限定商品(蛍光色とかハデなの…)も並んでいた。 おお、なんともチャーミングな新生ルメール! また毎シーズンチェックすべきフランス産ブランドが…、と思った矢先、なにげに品質タグを見ると意外にも生産はJAPON…。 パリの新生ルメールのブティック最初のお客として、ぜひ商品を買いたかったのだけど、ご存知の通り MADE IN FRANCE に病的なまでの執着を持つ意固地な自分である。ちょっと勢いがしぼんでしまい、結局そのまま仕事場へ戻ってしまった。 もちろん、そのデザインはルメールに間違いないし、完璧なルメールの復活なのに! ごめんなさい、今度、ちゃんと東京で買わせて頂きます。春が来たら。 | LEMAIRE, 28 Rue du Poitou, PARIS III | photo: sk |
by cherchemidi
| 2007-02-07 02:11
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monologuephoto à la mode de la musique j'aime le cinema et cetera... Qui est vous, Shoichi Kajino?
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