SALLE 2
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| MARIE ANTOINETTE | photo: sk |

夏のパリで観た「マリー・アントワネット」。オデオンの映画館。
写真のExifデータを確認したら7月11日だった。

フランス王宮、マリー・アントワネットのストーリーを英語で描いた作品をフランス語の字幕でといった、頭の中が整理できない言語状態で観たにもかかわらず、明快、明確なソフィアの美意識とこんがらがりようのないストーリーで、ずっしり楽しめた。楽しめたというような軽い言葉は適切ではなく、あの夢のようなソフィアの世界にどっぷり浸って、息が出来なくなるような感覚を再び思い出すのである。
映画が始まった瞬間すぐに。


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男のくせに、アントワネットはもちろん、きらびやかなヴェルサイユに惹かれてきたのは単に「ベルサイユのばら」の影響なんかではなく、さらにいうなら、エールやフェニックスやアレックス・ゴファーといった敬愛するミュージシャンの出身地ということ(フランスには渋谷系の代わりにヴェルサイユ系という音楽が一時あったことはそんなに知られていない…)でももちろんなく、エッフェル塔を見た瞬間に襲う郷愁と感動のようなものが、これまたDNAレベルで、かの宮殿には確かにあったからなのである。本当のことを言えば「ベルばら」でいうなら、アントワネットさまよりオスカルを愛してしまうのはごく当然で、さらにいえば、太陽王ルイ14世こそがナポレオン以上に歴史的ヒーローなのかもしれない。

そんなわけで、上野やら両国やらで時々開催されているヴェルサイユがらみの展覧会には、極東にいるときでさえ、その栄華のかけらを感じてみようと、集団のおばさま方の中にまぎれて僕は入場券を買うための列に並ぶのである。
初夏の緑に満ちたサンジェルマン大通りのシネマの前に出来た行列は、その列とは比べ物にならないくらいの短いものであった。(空いていたのである。公開から1ヶ月以上だからまあ仕方ない…)

観るまでの前置きが長くなったけれど、映画の方はネタバレなし程度に少々。
すなわち、この映画、簡潔に言うならヴェルサイユにそのまま舞台に移した「Virgin Suicides」。
主演がキルスティン・ダンストという共通点は、さほど重要でないくらいに、多くの点で共通点が。
いわゆる堕ちてゆく人生を送っていく少女のデカダンな物語というのは、アントワネットさまなのだから言うまでもなく、その他あらゆるシーンで70年代のアメリカ・ミシガンのサバービアと、18世紀、革命前夜のヴェルサイユのシーンが見事にシンクロしてくるのである。
馬車に乗ったアントワネットは、朝帰りするタクシーでのラックスと同じ視線だし、フェルゼンの登場は、もちろんトリップ(ジョッシュ)だったり、宮殿での舞踏会は学校でのダンス・パーティだったり…。後年、宮殿から離れて田舎家で家族で過ごすシーンは、草原で駈ける姉妹の姿を追ったシーンと全く同じで、ソフィアお得意の美しい逆光のカメラワーク(これにいつも僕は震えるほど感激してしまう)がそれを美しく捉えるのである。

さて、これ以上は映画を観る前には不要な情報かも知れないし、誰もこの僕にソフィア論を語れとも言われていないので控えさせていただきますが、ここまで読んでいただける、あなたならフェニックスの登場だけは要注目&笑いを押さえるのに要注意ということだけは書き留めておくことにします。

さて、7月11日。シネマから出てもまだ明るい夏時間の夕方。
まず最初に僕がしたことといえば、迷わずフェニックスのトマに電話! 
彼はオデオンからすぐそばに住んでいる。「ブラボー」の興奮を横にいたであろうソフィアに伝えてもらいつつ、トマの演技力にも「ブラボー」を贈ったのである。トマは苦笑。

ルイ16世役のジェイソン・シュワルツマンが、アントワネットとベッドに入るシーンで一瞬、ん!トマに似てるかも…なんて思ったのは、きっと気のせいであるが、当然のようにアントワネットの姿はそのままソフィアに被せて観てしまうのは、きっと僕だけではないだろうし、事実、ヴェルサイユのお城のようなお家に住んでいたトマと一緒になるなんていうのは、あまりに出来すぎたシンデレラあらためアントワネット・ストーリーなのである。

ご存知のようにカンヌでもパリでもアメリカでも賛否両論であるが、ちゃんと監督ソフィア・コッポラのことを分かっていてこの映画を観るのなら、この映画に否をつける理由が見当たらない。
そういうひとは「大奥」を観ておいてください。羊羹もって。
僕はマカロンもって、もう一回日本語字幕で「マリー・アントワネット」観に行きます。


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(おまけ)先日、映画で使われていた衣装だけが来日。神宮外苑、聖徳記念絵画館にて。もちろんアントワネット関連は全出席で(笑)。
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by cherchemidi | 2007-01-18 14:56 | j'aime le cinema
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par 梶野彰一
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