THUMBSUCKER
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| THUMBSUCKER | A Film by Mike Mills |


先日、この映画のスティール写真集ことを書いた直後に、奇遇にも完成披露試写のお知らせが届いたのである。
マイク・ミルズの(ほんとの意味での)初監督作品「THUMBSUCKER」、
本日、いちはやく観せて頂いた。

始まった瞬間に、えも言われぬ感動に襲われる。
オープニングタイトルの3分だけで、一冊の写真集に相当する感激。
マイク・ミルズといえば、自分にとってのある時期(2000年を挟んだ数年間)、最高のヒーローであったわけだから当然だ。

ストーリーはといえば、文字通り“指しゃぶり”の少年が次第に大人になっていくイニシエーション・ストーリーで、かつては少年だったという者なら、どこかしらに共鳴したり、感情移入しやすいというものだろうけれど、マイク・ミルズの場合は、これに「いつまでも子どものまま…」的なある種のエックス以降の世代の喪失感と達成感を同時に入り交じらせて、いつまでも子どもでいたい症候群の共鳴さえも受け入れながら、サバービアのリアリズムを描くのである。

キャスティングも絶妙。
結局は何も教えてくれない父親、に代わる、イニシエーターとしての重要な役をまかされたのはキアヌ・リーヴス。これが最高の配役で、これまで「マトリックス」なキアヌ様には嫌気がさしていた男(とはいいながら、マトリックスはDVD買ってしまったけど…)ではあるが、一気に好きな俳優になってしまった。(これは、「トップ・ガン」時代、見たくもなかったトム・クルーズが「マグノリア」以降、好きな俳優になったときの感覚に似ていた。)

そしてストーリーよりもキャスティングよりも、やっぱり「光」である。
そのボスウィック先生やホンマタカシ先生の写真をムーヴィにしたような屋外でのシーンはすべてのコマが1枚の写真としても成立するくらいに完璧な光のコントロール。
さすがヴィジュアリスト、いまさらそのセンスをここに書くまでもないであろう。

ジャック・スペードの製作で作った短編ドキュメンタリーのオムニバス「PAPER BOYS」やAIRのヴィデオクリップ「ALL I NEED」に重なってしまうワンシーンもあり。

昨年末から予習済みのサウンドトラックはやっぱり、ロストな思春期にぴったりハマったElliott Smithの4曲、そしてThe Polyphonic Spreeは別で書いたミランダ・ジュライの「ME AND YOU AND EVERYONE WE KNOW」のVirginia Astleyを思い出させてくれた。

ミランダ・ジュライとの必然的なリンクは、サバービア感とかそのレベルではなく、キーカラーとしてのピンクのさし具合とか、この他にもどっさりあり、劇場にて要確認。

やんわりとした空気でつづくやるせない感情とゆるやかな興奮、そして、ラストシーンでは不覚にもほぼ泣いてしまっていた。
はじめて「ヴァージン・スーサイズ」や「ロスト・イン・トランスレーション」を観た時の感じを思い出した。(ソフィアやミランダが「ガーリィ」ならば、マイクは「ボーイィ」…)

観終わって、出口で知り合いを見かけたので声をかけたら、彼女は号泣していた。
僕の涙には気付かなかったはずだ。

I AM WORRIED ABOUT MY FUTURE, JUST LIKE YOU.
by cherchemidi | 2006-05-24 20:02 | j'aime le cinema
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par 梶野彰一
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