5X2
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この綺麗な写真はフランソワ・オゾンの新作「5X2」のスチール。
先日、この「5X2」(ふたりの5つの分かれ路)を試写で見させて頂いた。
公開を前に他でレヴューを書く予定もなかったので、感想を。

まずは、さすが、オゾン。面白かった。素晴らしかった。
実は今回、渋谷シネマライズでの公開がないため、ちょっと期待薄なのかとか、勝手な思い込みもあったり、フライヤーのヴィジュアルも日本語タイトルも個人的にはビミョウ(失礼!)だったりで大きな期待をしてなかったのだ…。
ところが、はじまって10分で、もうめくるめくオゾンの世界へ。あの引きずり込む感覚はやっぱりすごい。
公開前なので、ネタばれも最小限にしておくとして、チラシでも書いてある通り「“離婚”から“出会い”に時間を遡る、ある夫婦の愛に関する5つの季節」な話なわけで、まずはそのプロットがとても面白い…。フランス的な会話だったり、フランス的な微妙な人間関係だったり(もちろんお得意の同性愛者も)、笑いに転じない、ぎりぎりの面白さで男と女の「5つの季節」がめぐる。それも時間を遡って。結果、とても美しい、愛おしい感覚の作品になる。

ここで、少々ハズれてしまうけど、時間を遡ると言えば、2002年くらいだか、ギャスパー・ノエの「アレックス」。もう言語道断の卑劣な映画で、美しいのか、痛々しいのか、もう頭も心も掻きむしられて、きっともう2度と観ることはないと思うのだが、とにかく、彼がこの映画で用いた時間逆行のプロットを思い出さずにはいられなかった。(そんな痛烈な作品、観たきっかけはやっぱりモニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセル、そして音楽がDAFT PUNKのトマ・バンガルターだったことだったけど…、本当に観て後悔。さらに余談で先日、偶然ギャスパー・ノエ監督にお会いする機会を頂いたのだが、口が裂けてもあなたの映画のファンですとは言えず、口ごもってしまった、のを思い出さずにはいられなかった。)

話をもどして、フランス某誌から単語を借りるなら、まさにオゾンの映画はいつも美しい「トロンプルイユ(だまし絵)」の様。それでいて、ほのかな寓話。
今回、僕は何の前知識もないままで、映画を観はじめたため、その時間が遡って行く展開に気が付いたときには、その「だまし絵」の精密さを感じないではいられなかった。
今回の主演はヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(あのカーラ・ブルーニのお姉さん)とステファン・フレイス(この人は知りませんでしたが…)。
さらに付け加えるなら、選曲がまたおもしろかった。ほとんどがイタリアン・ポップス、もちろん普段は聴きもしない過剰にセンチメンタルでドラマティックなイタリアのポップスだけど、オゾンの描くこのストーリーには完全にハマっていた。きっと彼自身の選曲に違いない。ちなみにこれまで同様にスコアはフィリップ・ロンビ(今回は「スイミング・プール」ほどは前に出てこなかったけど…)。

やっぱりフランソワ・オゾンの映画、最高です。

「5X2(ふたりの5つの分かれ路)」は8月20日より、シャンテシネほか全国順次ロードショー。
by cherchemidi | 2005-08-09 00:17 | j'aime le cinema
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par 梶野彰一
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