l'été de Paris, de 1990 à 2010
2010年、夏のパリ。
1990年、夏のパリ。

この季節のパリに特別な想いがあるのは、他でもなくはじめてこの街を訪れたのがこの季節であったからに違いない。
今よりひとまわり大きかったサイズの、僕にとっての初めてのパスポートを見直して発覚したのだけど、正確に僕が初めてこのパリの地を踏んだのは19歳最後の瞬間、1990年の7月だった。さらには20歳の誕生日であった8月のその日に、パリを発ってカレイの港からドーバー海峡を渡ってロンドンへと向かっていることが判明した。果たしてそれがどのくらいまで計画的であったかどうか今となっては思い出せないのだけど、僕はパリとロンドンを結ぶドーバーの船の上で寝ぼけ眼のまま20代最初のバースデイを迎えたというわけである。

さて、その初めてのパリでいまだ印象深かく記憶に残っているシーンがいくつかある。まずはシャルル・ドゴール空港に降り立ったときの眩しく強い夏の夕暮れの光。そしてルーヴルの前に立ち、チュイルリー公園、コンコルドから凱旋門までまっすぐ一直線にのびたシャンゼリゼを見た時の感動。そそれから、グランパレの脇を歩いてたどり着いたアレクサンドルIII世橋やセーヌ川は今よりずいぶん大きく見えたように覚えている。

実はその旅は、当時の憧れの地であったロンドンへの旅のついでに、せっかくならパリにも立ち寄ってみては…と、誘ってくれた大学の仏文科の友人の計画によるものだったのだが、僕は初めて踏んだ異国の地となったこの美しいパリで、まんまとその虜になってしまったという訳である。そんなわけだから、この旅に僕を連れ出してくれたその友人には今でも強く感謝している。

もちろん当時、ゴダールやらカラックスによって予備知識としてのパリへのあこがれはすでに植え付けられた後ではあったものの、果たしてそんな「あいまいなあこがれ」だけでパリを訪れた当時の僕に対して、「本物の」パリはあまりにも美しくあまりにも甘美であった。

20年前、当時の僕には、その後に自分がこの街で仕事をするようになるとも、この街に(東京より)たくさんの友人が出来るとも想像もできなかっただろう。もちろん。
パリは得てして他所からの訪問者には冷たいけれど、その愛が届けば、時に偶然とは思えないような奇跡を見せてくれることだってある。
やわらかくつながってきたたくさんの人々との出会いや、この街がときどき見せてくれた数々の奇跡に感謝しながら、そんな想いで、2010年、僕はこの街の夏を歩いている。


le 14 juillet 2010 
by cherchemidi | 2010-07-14 06:59 | monologue
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par 梶野彰一
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