ローファー・フィーバーの火付け役は、もちろん昨年夏に会ったエディ・スリマンの足下だった。昨年の7月、東京滞在中の彼はずっとライダースにローファーだった。 さっそく8月は暑い中、靴屋を巡りローファー研究。結論、本当はAlden や Brooksのものが欲しかったのだけれど、僕は靴を大切に履けない人間だ。ローファーのまま自転車にも乗るし、スニーカーのように履きつぶすにはAldenもBrooksも高価すぎる。躊躇していたらアトリエの近所の古着屋でG.H.Bassのローファーに出会った。バーガンディ、サイズがぴったりのユーズド、迷わず購入した。 その後、10月のパリでは例のル=タン姉妹とともに、パリでローファー・フィーヴァーに沸いた。 ローファー研究の仲間でもあった彼女たちは「REGAL」どころではなく「HARUTA」までも知っている。結局、僕らの愛するのはまさに学生の履いているローファーだったのである。 言い訳でもないが、毎日のように裸足で履いていたものだから、だいぶ傷んでしまっていて(鈴木編集長のblogにてご確認ください)、これでは「おしゃれは足下から」どころではない。3月には同じくBassをさらに2足、今度はバーガンディと黒を追加して買った。気に入ったら同じものだけ買えばいい。これはスーパー・スノッブなパリの友人に学んだモノマニアック(単一嗜好主義)である。上の写真を撮るために新しい一足を箱から出してみた。 POPEYE別冊の「Oily Boy」を熟読しすぎたわけではないが、ペニー・ローファーは「ペニー硬貨」を入れて完成と思っていたので、さっそく先日のロンドンではペニー硬貨を捕獲して、そのクイーン・エリザベスII世を足下に忍ばせた。実はこれもル=タン姉妹と共犯である。 ところが実際は、3足分計6枚のペニー硬貨が手元になく、1足分は「2セント・ユーロ」硬貨で代用している。スーパー・アメリカンな J.H.Bass への、ユーロ至上主義からの唯一のかすかな反抗。 足下のオシャレにもうるさい近所の友人Eくんからは「J.M. Westonですか?Aldenですか?」ともちろんフランスの靴屋の名前を挙げられるものだから、「いいえ、Bassなんです」とは答えにくい。 先週末、京都のF.I.L.のオープンの前日、その日はどうしたものか、その午後だけで4回、人に会う度にこのペニー・ローファーのことが話題に上って、その度に「Bassです」「ユーロ硬貨なんですが…」と繰り返すのも、われながら恥ずかしくなった。 ただひとり、visvimの中村氏だけは一目ちらりと見ただけで「G.H.Bassですよね?」と返してくれた。なんでも10代の時に愛用していたと言うのだ。さすが。 エディに端を発した僕のローファー・オブセッションも、ようやく落ち着きそうである。
by cherchemidi
| 2009-06-02 19:41
| et cetera...
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monologuephoto à la mode de la musique j'aime le cinema et cetera... Qui est vous, Shoichi Kajino?
140 caractères "maintenant"
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