Rouge et Vert de Londres
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ロンドン、都市考——。

先日ロンドンについて「ディプレッシングなビッグ・シティ」と書いてしまったのだが、僕は決してロンドンを嫌いになったわけではない。相変わらずポイント、ポイントでチャーミングな様相をみせてくれる街である。そして相変わらず生ビールとミルクティーだけは美味しい。
ただ“ちいさな”パリに慣れてしまった身としては、ロンドンは「ビッグ・シティ」すぎて手に負えなかったのだ。その変化は激しくて4日間の短い滞在でとうてい8年間のブランクをリカヴァーできるような規模ではなかった。

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まあ、アップデートは出来なかったとしても、“スーパー・コンサヴァティヴ”を自認する僕だから、この英国の一切変わらない、変わろうとしない、その伝統的な部分に惹かれるところも多い。
それである午後は本物のリバティ・プリントでも見てみようと「LIBERTY」を訪れ(実際は花柄プリントを買うことなく、入り口のお花屋さんの写真を撮っただけだが)、あるいはFortnum & Masonで紅茶やショートブレッドを買い求めて、限りなくコンサヴァティブに過ごした。(おかげでここ最近のわが家の朝はといえば、カフェオレでもマリアージュ・フレールでもなく、英国風ミルクティーにとって代わっている。)
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ロンドンに詳しそうな友人にアップデート情報を聞こうとメールしたのだけど、彼の仲介もあって、1月パリのvisvimの展示会で会ったAndrew Bunnyと再会することになった。奇遇にも彼が提案したのもFortnum & Masonのティー・パーラーで驚いた。さらに紅茶ではなくアイスクリームをおすすめされたのにはもっと驚いたけれど。
近所にオープンしたというLADUREEには無論、近づかないようにする。
もちろん英国ではマカロンでなくスコーンをという考えからである。


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不変のロンドンといえば、まず思い出すのは「赤」である。
ダブルデッカーのバス、そして電話ボックス。
さすがに電話ボックスは、他の都市同様に街から姿を消しつつある。こんなフォトジェニックなのに。

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そして公園の「緑」。
はじめてロンドンを訪れた際、広大なグリーン・パークで昼寝をして「何もしない」という余暇の贅沢をはじめて知ったように思う。またセント・ジェームス・パークはその(フレンチな)名前が好きなだけではなく、ペリカンやら白鳥が浮かぶ池の前でのんびり過ごした良い思い出もある。

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By the way, 赤と緑でイタリアを想起したわけではないのだけど、一軒、どうしても行っておきたいお気に入りのカフェがあった。SOHO SQUAREのすぐ南の「BAR ITALIA」。
やはり毎度のティーばかりでは、カフェが恋しくなってしまうのである。かつてここのカプチーノをマーティン・ケリー(ex. East Villageの!)に教えてもらってからというもの、SOHO散策の休憩は、紅茶でもパブでもなく、ここのカプチーノと決めていた。
今回も念願の帰還。太陽の真下のテラスで「カプチーノをふたつ」などと頼んでみる(もちろんここでもテラス席のおとなりはフランス人であった、w)。

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久しぶりの英国訪問に考えることは多い。
例えばロンドンでフェニックスのトマと話した「同じヨーロッパでも、どうして僕がロンドンではなくパリにより強く惹かれるようになったのか」というようなこと。
「ロンドンはあらゆる点で東京に似ていて、僕にとって刺激が少ないのかもしれない」というのがその場ですぐに僕の頭に思い浮かんだ答えだった。

日が高い時間に、パブでビールを飲みながら再考してみた。
たとえば地下鉄の一駅間やバス停の間隔はじめ、都市のサイズ感。あるいは川の幅だけ見ても、テムズ川は意外に大きいことに気づく。まさに隅田川や多摩川の規模に近い。とうていセーヌほどの“適当にロマンティックな”サイズではない(そう言う意味で京都の鴨川は適当にロマンティックで好きなのだ)。
さらに英国人の理にかなった性格(フランス人はまず感情が最優先なので、しばしば不条理である)、親切で他人とのおだやかな距離感(フランス人は無駄に人なつっこいが、同時にとても冷たい)、仕事に対しての勤勉さ(フランス人は余暇をとる権利ばかり主張している)、仕事の後はまずビール(フランス人はもちろんランチの時間からワインを飲んでいるし、まあ2時間は戻ってこない)、なんて習慣も見ていると、ロンドンでは、どこか東京にいる時の様な安堵感を感じるのも当然のように思えてきた。逆に言えば、それはエキゾチックではない。

そもそもこの時代、大都市にエキゾチシズムを求める時点で間違いだが、やはりパリには、絶対変わらないパリジャン気質みたいなものが頑固にこびりついていて、幸いにもそれが大都市への変革を妨げているのではないだろうか。
明らかなひいき目ではあるが、僕はそんな“プティ・ヴィラージュ(ちいさな村)”のパリへの愛をすます募らせながら、ビッグ・シティ=ロンドンからビッグ・シティ=トウキョウへの帰路へつくのであった。


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| photo: sk |
by cherchemidi | 2009-05-14 01:27 | et cetera...
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par 梶野彰一
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