London Days
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| photo: sk |

ロンドンのコンサートはキャンセルになってしまったが、その重い夜はメンバーたちとひっそり過ごした。今回は友人のイラストレーター、ステファン・マネルも一緒である。さらにその席にはJalouse誌の取材のためにユーロースターでやってきたナデージュ・ウィンターの姿もあった。

翌早朝にはSaint Panclasの駅でパリに戻ってしまう彼らを見送って、僕は少しばかりロンドンに残ることにしていた。帰りの飛行機はロンドンからの便を予約していた。
実は2001年5月以来、ちょうど8年ぶりのロンドンで、少し街を見てみたかったからだ。

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ユーロースターでパリからロンドンに入ったのも、その時以来の8年ぶりである。ロンドン側の到着駅はウォータールーではなく新しくなったサン・パンクラ(フランス語読みで)という駅になっている。さらに到着までの時間もずいぶん短くなったように感じたのは気のせいか。

パリ北駅でユーロースターにチェックインしてチケットに書かれた座席に向かうと、そこにはすでに男女のカップルが座っていた。ムッシュが二人で一緒に座りたいから席を代わってくれと言う。僕は一人だったし「ええ、まあ、いいよ」とは答えたのだが、「オー、メルシー。トレ・ジェンティ(優しいね)! プチ・デジュネも付くから楽しんで〜」と言われ、彼から受け取った座席は一等車のものだった。僕の買ったチケットは格安の66ユーロ、彼から受け取ったチケットには330ユーロの値段が印刷されていて、「メルシー」を言うべきだったのは僕かもしれない。そんなわけでガラガラの一等車でプチ・デジュネを楽しんでいたら、あっという間にカレイを通過、ドーバー海峡のトンネルに入ってしまった。
以前ならこのトンネルの前あたりになると、列車内で入国審査が行われたように覚えている。かつてのイギリスの入国のスタンプには確か「ドーバー」と刻印されているが、今や「パリ北駅」ですでに入国となってしまっている。こういう合理化はなんだかヨーロッパ的ではなく、少々味気なく感じた。

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ロンドンでは4日間だけを過ごしたが、驚いたことに、毎日が抜けるような青空であった。夏でも冬でも雲が低く、肌寒い印象の街だったのに、ジャケットも要らないほどの好天には驚いた。そんな話をしてたら、ロンドンはグローバル・ウォーミング(温暖化)が顕著に感じられる街だからだろうと教えられドキッとした。

撮影の仕事が少しあったものの、街を歩く時間も十分にあった。

驚いたのは自分の土地勘である。着いた初日から「LONDON AtoZ」さえ持っていないまま散策していたのだけど、あっちに行けばコヴェント・ガーデン、この通りを抜ければ、セント・ジェームス・パークと言った具合に、SOHOを中心にして所々は抜け落ちながらもロンドン・マップが頭の中に浮かび上がっていたのは驚いた。
ほんの2ヶ月前にロンドンを訪れたばかりというパリからの友人も、僕がコヴェント・ガーデンからニールズ・ヤードへの小道を、まったく地図なしに歩いてみせたのには驚いていたが、本当のところ一番驚いたのは僕自身であった。
それで、聖地(笑)ニールズ・ヤードでスーパー・ビーガンなサラダなんかを食べて紅茶を飲んでると、まぎれもなくレオス・カラックス本人が通りかかって、席に着いた。よっぽど話しかけようと思ったのだけれど、親密そうな女性と二人きりだったので、あきらめた。

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これは、歩かずしても分かっていたことであるが、SOHOではレコード屋さんがめっきり減って、チェーン店のカフェやらお店ばかりになってしまっていた。
実はこれに似た気分は、すでに8年前のロンドンでも味わったのを覚えているが、それはさらにひどい状態になっている。
さすがに同じ通りにユニクロが3軒もあるのはどうかしているだろう。もちろんTOPSHOPもH&Mもその他いろいろ、英国を特徴づけるのはせめてマークス&スペンサー程度で、どれも全部同じように同じ通りにきれいにデザインされたショップが並んでいる。
スターバックスや、マクドナルドは決して視界から消えないほど、すべての角から見つけられるだろう。さらに通りを歩く人の多さに驚く。かつて(といってもほんの8年前だが)ロンドンにはこんなに人でごった返していただろうか?もはやそれも思い出せないまま、すでにパリが恋しくなる。
嗚呼、このチェーン店だらけのスーパー・フラットな世界を今更嘆くわけではないが、ロンドンはその傾向があまりに顕著で、抜けるような青空のもと、このディプレッシングなビッグ・シティを抜け出すことを計画した。(つづく)

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| photo: sk |
by cherchemidi | 2009-05-07 23:57 | photo
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par 梶野彰一
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