Bonjour Tristesse
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「悲しみよ こんにちは」

フランソワーズ・サガンの処女作の冒頭にはエリュアールの詩が引用されている。

そして

ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、立派な名をつけようか、私は迷う。 
(※朝吹登水子訳 新潮文庫)

と、こんなにも可憐な一文からはじまるのだ。小説は冒頭の第一文がすべて。
僕はこの冒頭だけを何度繰り返して読んだことだろう。
というのも南フランスのヴァカンスが舞台ということにひかれ、初夏が近づくとなんとなくこの一冊を手に取るのだが、あんなに短い小説を最後まで読み終わらないまま、夏にはベッドの下に落ちていることがしばしばであった。
こんな僕だが、この小説のことを好きな一冊に挙げるのをお許しいただきたいのである。

実は昨年末に河野万里子さんの新訳で登場(Amazon (新潮文庫))したのも最近まで知らなかったほどだ。(もちろん店頭で見つけてすぐに買って、今回もまた冒頭の何ページかだけは読んだ)


ともかく、こんな風にサガンのことを改めて考えるようになったのは、ほかでもない、彼女の生涯を描いた映画を観たからである。
2月の試写でいち早く見せて頂いていたのだけど、先週のフランス映画祭に監督とサガンの息子さんもいらっしゃるというので、はやくも2回目のスクリーンで観ることに(1ヶ月少々の間に2度もスクリーンで観る映画といったらスターウォーズ以来である)。

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映画自体の評価はこれから観る皆様の判断にお任せするとして、主演のシルヴィ・テステューがあまりにも上手に「サガン」を“コピー”しているのは驚いた(特に70〜80年代のサガンの話し方やその仕草!)。

ちなみに当時のサガン本人の映像は、YouTubeでもいいのだけど、できればフランス最大の映像アーカイヴを誇る「ina」のサイトで、「Francois Sagan」で検索してみてください。
良質の映像アーカイヴがどっさり見られますし、何ならダウンロードで買うこともできます。

伝記映画と言えばすぐに思い出したのが、2年前の「エディット・ピアフ(La Môme)」で、これは140分でふんだんに彼女の一生を描いた美しい映画だったし、マリオン・コティヤールの演技も素晴らしく世界的な大成功をおさめた。
それと比較するのも酷かもしれないが、この「サガン」は120分で「悲しみよ こんにちは」でのデビューから彼女の死までを描いていて、やはりそんな時間の制限の中で、詰め込みたいエピソードは山ほどあるものだから、ちょっと展開が駆け足すぎる感は拭えなかったのである。

ただフランス映画祭でディアーヌ・キュリス監督と、サガンの息子さんであるドニ氏を迎えた上映後のティーチインの中で、いくつかの生々しいエピソードを聞くことが出来、映画にふくらみを持って理解することが出来た気もする。

個人的なサブの見所としては、ジャンヌ・バリバール演じる、サガンの最愛の友人であったスタイリスト、ELLE誌編集長のペギー・ロッシュの80年代的スタイリングと、助演っぷり。サガンのファッションのヒョウ柄。丈の短いサブリナパンツにトレンチコート! そして見覚えのあるカジノ・ドゥ・ドゥーヴィルやトゥルヴィルの海…といったところだろうか。それから、原稿を打つタイプライターの音も今では懐かしい。

さて、またも話はまとまらなくなってきた。
フランソワーズ・サガン、彼女のきらびやかで大胆でエレガントな短い一生を、映画館のスクリーンでともに追随するのも、まったく悪くないと思うのである。Bunkamuraほかで初夏から公開とのこと。ぜひ。>公式サイトはこちら



余談…。
明らかに「エディット・ピアフ(La Môme)」の成功によって一気に企画が立ち上がったと思われるフレンチ伝記映画だが、今年はいよいよココ・シャネルが公開され、セルジュ・ゲンスブールの撮影がスタートしたという(2010年公開)。
「COCO AVANT CHANEL」はオドレィ・トトゥが主演で4月公開だ(フランス公式サイト)
さてあまりに強烈な個性の彼女、そして彼をどんな俳優が、どのように演じたらフランス人は納得するのだろうか? そんな心配をよそに、やはりファンとしては再び映画でその人生を追随したいと願うわけである。

(おまけ>ゲンスブールのキャスティング…>オ〜ララ!
by cherchemidi | 2009-03-22 21:32 | j'aime le cinema
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par 梶野彰一
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